BTS IDOLについて
DNAからFAKE LOVEときたこのLove yourselfシリーズの着地点がまさかこんな感じになるとは・・・。意表を突かれ、イメチェンに次ぐイメチェンで、こころをまたまたつかまれた。Love yourelf轉から間をあけずに結Answerが発売されたが、轉からラテン系の曲調を生かしているように思う。
IDOLのイントロは、2010年以降のアメリカでの売れ線音楽の基礎?とも思わせるようなサックス一本の踊りだしそうなメロディーから始まる。J.LO?ピットブル?アレクサンドラスタン?みたいな曲の始まり方。これはヨジャドルのMOMOLANDもこういうメロディをいれる楽曲を発売して人気になった。ただ、BTSはここがちがう!!と思わせたのは途中、国境を越えまくるところとメッセージ性だ。
ぶちアゲなメロディとビートで心苦しくなったところに突然、ブレイクと言うべきか、ジミンの歌うテンポを落とすような緩急のある展開がある。ジミンペンはみんな呼吸と瞬きを忘れる時間。MVではその部分でメンバーが韓服をきたところに水墨画で描かれたような虎が現れる。そう、韓国!をアピールしているのだ!韓国の民謡からエッセンスを得たいう本楽曲は「オルッス」という、日本の民謡の「いやさーさ!」とか「よいしょ!」みたいな特に意味のない言葉の合いの手が入っている。こういうエッセンスが、1枚上手だなと思う。
また、ダンスは過去の楽曲の振りを取り入れながら、アフリカンダンスをイメージしたとかで、MVで踊っているシーンはインド映画の最後のシーンのような盛り上がりを見せるような部分もある。
衣装に関してもテイストが多岐にわたっていて、中東を思わせるような服装、ポップなアイドルの象徴?とも思われるキャラクターの服(お決まりのGUCCI)や、韓服、柄物のスーツはScramble for Africaというアート作品からヒントを得ているのではないかと、ファンが予想していて、ヨーロッパから帝国主義列強によって行われたアフリカの支配権争奪、植民地化についてを表現したものである。アイドルの生きる社会との類似性があるのかもしれない。
https://africa.si.edu/exhibits/shonibare/scramble.html
様々な国のヒントがありながら「世界は1つ」みたいなメッセージではなく、アイドルである自分たちのメンタルについて強気にうたっている。この地球の小さな半島で生まれ育った子たちが、輝くのは世界各国なんですよ!と言わずに伝えてくる強気な感じ。あんな弱そうな子たちがこういう歌詞をうたうのは、またまたギャップ萌え要素てんこ盛り。次々に変わる場面に目眩がしそうなくらいものすごい情報量で作られている。
MVの演出としては、色味を重視したセンセーショナルなMVで、アイドルとタイトルにあるように、世間から向けられる目への恐怖心を表現している。メッセージはSHINeeのテリロガとほぼ同じで、あちらは心に訴えかけるタイプだが、バンタンはそんなの気にしないという天邪鬼タイプの演出になっている。
彼らは弱小企業からデビューしたアイドルで突如スターダムにのし上がったけれど、今も売れなかった頃と変わらないスタンスであると言い続けている。
すごく印象的で中毒性のある曲で、完全にプロモーション勝ち!ウリバンタン最高!