おたく強化備忘録ブログ

アラサーOLがただただ好きなものについて考えたことの備忘録。主に音楽。

UNICEF Love yourselfキャンペーン RMスピーチ

芸能人がUNICEFのキャンペーンで活動することは過去にも多くあったが、BTSの国連のキャンペーンはこれまでのもとまた別のキャンペーンのように感じた。過去にあったものは、芸能人が発展途上国に行き、現地で子どもたちと会い、感じたことを「芸能人」という立場で人々に広めることが目的とされていた。一方、BTSのキャンペーンはLove Yourselfキャンペーンで、現代を生きる若者をターゲットに彼らが自分を愛することについて考える機会をつくるようなキャンペーンだ。

 

キャンペーンが始まったのは2017年の終わり頃から。BTSは、キャンペーンと同じのタイトルのアルバムを作成し、世界に発信した。全世界でSNSの時代、現代の若者は自己顕示欲とネット上の人間関係に悩んでいる。Love Yourselfというテーマに沿ってつくられたアルバムの曲はとても正直な言葉でつづられているように感じたし、このテーマで自惚れたり、キャンペーンを美化しているとは全く思わなかった。

 

それを彼らの音楽を聴いていないひとにも証明したのは、先日の国連本部でのRM(ナム)のスピーチだろう。ナムの素直さや包容力を感じさせ、アイドルグループのリーダーとしてではなく若者のリーダーとして、作りこまれたスクリプトではなく、自分の言葉で声を上げているように思えた。

 

ナムはアンダーグラウンドでラッパーとして活動していたところ、スカウトされたバックグラウンドがあるからか、自分の言葉で相手に意思を伝えるという部分に非常にたけていると思う。国連のスピーチでも、言葉の言い回しは、いつものナムである。そしていつも通り、着眼点が「人気者のアイドル」ではないのだ。彼はいつもファンと自分が同等の立場として考えている。ファンに「いつも応援しているよ」と言ったりしているように、このスピーチでもアイドルしてのRMというより、1人の若者キムナムジュンとしての意見が述べられている。

スピーチの最後にもあった「僕も少しずつ自分を愛し始めています。」という言葉は、アイドルでありながらうぬぼれることなく、自分と他者との境界線がないことの現れともいえるだろう。そんな彼の考えは親近感が持てて、心にスパンッと落ちる。

 

イギリスのテレビ番組でも、このスピーチについて話したことを共演したウーピーゴールドバーグが感動し、その場で自分が着ていたシャツをプレゼントした。なぜ、いま?それを?みたいな衝動的な感動すら与えてしまう。なお、ウーピーも自分を愛するという、同じ着眼点からアパレルブランドを立ち上げている。

 

mdpr.jp

 

なんとなく出会ったアイドルグループだけど、とんでもないグループに出会ってしまったなとRMのスピーチを聞いて思ったのであった・・・。